執筆者 |
宮川努 (ファカルティフェロー/学習院大学) /川上淳之 (学習院大学) |
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発行日/NO. | 2006年4月 06-J-027 |
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概要
90年代における生産性低下の要因のひとつとして、生産性の低い企業が産業内にとどまり、新規企業の参入が少ない点が指摘されている。そこで、まず創業初期段階の企業が生産性を高める効果を有するかどうかを検証した。その結果、創業後約8年間で企業の生産性が最も高くなることを示した。次に、資金調達に際して生産性の高い企業が借入を認可されているかどうかを、多項ロジット・モデルを用いて金融機関の業態ごとに分析を行った。推定の結果、都市銀行では、生産性の高い企業に貸出がなされている一方、政府系金融機関では逆に、生産性の低い企業に貸出の認可が下りていることが確認された。また、90年代に限った推定結果では、都市銀行が90年代に入り、生産性の高い企業に貸出を認可する傾向が強まっているという結果が得られた。