執筆者 |
小林慶一郎 (研究員) /稲葉 大 |
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発行日/NO. | 2003年10月 03-J-013 |
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概要
1990年代から続く日本経済の長期的な低迷の説明の一つとして、金融システムが不安定化したことが考えられる。金融機関の破綻が金融システムへの信認を動揺させ、金融仲介機能の低下を招き、経済取引の長期的な停滞をもたらしたというものである。本稿の目的は、この仮説を実証的に検討することである。プロビット法を用いて金融機関の破綻した日付の情報を利用し、金融仲介機能の低下を表す指標を作成した。さらに、ベクトル自己回帰モデルを用いることによって、先に作成した指標によって表される金融仲介機能の低下が実体経済に与える影響を実証的に考察した。1977年から2000年までのデータを用いたベクトル自己回帰モデルでの分析結果では、金融仲介機能の低下が生産に対して約30ヶ月にわたってマイナスの影響を与えることが示された。