執筆者 |
元橋 一之 (上席研究員) |
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発行日/NO. | 2002年11月 02-J-018 |
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概要
1975年から2000年までの日本経済の成長要因について成長会計分析を行い、マクロレベルで見た情報化の進展と生産性の動向に関する分析を行った。日本経済の成長率は1990年代に入って大きく落ち込んだが、1990年代後半は、資本ストックに占めるコンピュータやソフトウェア等の情報化関連資本の割合が急速に上昇するとともに、全要素生産性の伸び率の上昇が見られた。また、本分析においては、米国におけるJorgenson等による研究成果と比較可能なデータベースを構築し、共通のフレームワークを用いて日米比較を行った。1990年代後半の推計結果を見ると、日本における経済成長に対する情報化関連ストックの寄与度は米国の半分程度であるが、全要素生産性の伸び率についてはほぼ同レベルであることが分かった。更に、成長会計分析の結果について、資本ストックの推計方法やコンピュータ等の情報化関連財における価格指数に関する影響度分析を行い、1990年代後半の日本経済における情報化の進展と全要素生産性の伸びは、推計方法やデータによらずロバストな結果であることを示した。