プロジェクト概要
本研究は、大規模のミクロデータを用いた実証分析から、新型コロナウイルスの世界的感染拡大(パンデミック)、貿易摩擦、英国のEU離脱(Brexit)といった外生的なショックと不確実性の増大が、貿易投資とサプライチェーンに与える影響を分析する。それらのショックがグローバルなサプライチェーンと企業間取引関係を通してどのように波及・増幅し、経済全体にも影響しているのか明らかにすることで、グローバル・サプライチェーンの危機と課題への理解を進める。特に、企業間取引関係のデータと国内外における日本企業の事業活動を調査している政府統計の調査票情報を用いて、企業毎にサプライチェーンにおいての上流度を計測すると同時に、企業の主観的不確実性指標を構築し、外生的なショック・不確実性の増大とサプライチェーンとの関係を実証的に明らかにする。さらに、サプライチェーンの実像・形成と貿易投資の影響、多国籍企業と構造変化についても取り上げて分析する予定。本研究から得られたエビデンスに基づいてグローバル・サプライチェーンの形成・再編・強靭化に関する政策的インプリケーションを提供する。
プロジェクト期間: 2021年2月15日 〜 2023年7月31日
(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は2021年2月15日 〜 2023年1月31日とし、データ利用報告期間は2023年2月1日 〜 2023年7月31日とする )
主要成果物
2023年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
2022年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 23-E-018
"Global Sourcing and Firm Inventory during the Pandemic" (ZHANG Hongyong and DOAN Thi Thanh Ha) - 23-E-017
"The Impact of Export Controls on International Trade: Evidence from the Japan–Korea trade dispute in the semiconductor industry" (MAKIOKA Ryo and ZHANG Hongyong) - 22-E-089
"Firms' Knightian Uncertainty during the COVID-19 Crisis" (MORIKAWA Masayuki) - 22-J-029
「コロナ危機と企業のナイト流不確実性」 (森川 正之)