誰が入学しているのか:大学難易度と推薦・AO入試の役割

執筆者 小野塚 祐紀 (研究員(政策エコノミスト))
発行日/NO. 2020年10月  20-J-039
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概要

本論文では、大学入試難易度と推薦・AO入試が果たしている役割との関係性を考察する。まず大学入試情報から、推薦・AO入試を導入している大学の割合が設置形態や偏差値、学部系統によってどのように異なるかを示す。そして大学生の個票データを用い、高校生時点での特性、大学内外での態度・活動、大学でのパフォーマンスという3つの観点から、学業面を中心とした様々な面において、筆記試験入試入学者と推薦・AO入試入学者の間に違いが見られるかを分析する。進学先大学の難易度データが利用できないため、この記述分析では出身高校ランクによる異質性に着目する。分析の結果は、学生がなぜ推薦・AO入試を利用しているかが出身高校ランクによって異なる可能性を示唆している。そして、高位校出身の推薦・AO入試入学者は、入学後の勉学への自主性や社会活動について望ましい特性を持ち、大学でのスキルの成長も大きいと評価している。このことから、難関大学は推薦・AO入試によって、筆記試験で測れない面で望ましい特性を持つ者を獲得できている可能性がある。しかしながら、どのランクの高校出身であっても、授業へのまじめさ、大学への満足度は推薦・AO入試入学者のほうが同ランク校出身の筆記試験入試入学者よりも高い傾向がみられ、また大学でのパフォーマンスが劣っているという証拠はみられない。推薦・AO入試に対する近年の社会的な低評価は、推薦・AO入試を導入している大学の割合が低偏差値の大学で高いことが主要因であると思われる。