非関税措置と企業の輸出活動:日本の製造業企業の実証分析

執筆者 小橋 文子 (青山学院大学)
発行日/NO. 2019年8月  19-J-044
研究プロジェクト 企業成長と産業成長に関するミクロ実証分析
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概要

本稿は、非関税措置に関する国連貿易開発会議(UNCTAD)の新しいデータベースを活用し、日本の製造業の企業レベルデータと結び付け、非関税措置が企業の輸出活動にどのように影響を与えているのかを検証する。具体的には、技術的な規制の国家間差異が貿易を制限する可能性に注目する。各企業が日本の国内規制に加えて輸出先国の技術規制を追加的に遵守するために直面する費用負担の指標を構築する。そして、追加的遵守負担が企業の輸出意思決定および輸出規模に与える影響を分析する。本稿の実証分析結果は、とりわけ、中小規模で生産性の低い日本の製造業企業の輸出意思決定に対して、技術規制の追加的遵守負担が負の影響を及ぼしていることを示している。中小企業が技術規制に円滑に適応し、輸出活動を力強く展開できるような政府の支援策が期待される。