国際技術連携と海外拠点

執筆者 鈴木 真也 (武蔵大学)/池内 健太 (研究員)
発行日/NO. 2019年3月  19-J-019
研究プロジェクト 東アジア産業生産性
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概要

日本企業による国際的な研究開発活動が進展する中で、海外大学と共同研究を実施するなどして連携する企業も多い。本研究においては、日本企業が海外大学との間で技術面での連携を行う際に、当該企業が連携パートナーの所在国に海外拠点を保有していることや、連携パートナーの所在国のタイプがどのような影響を及ぼすのかを明らかにした。製造業に属する日本の上場企業のサンプルを分析した結果、第一に、連携パートナーの海外大学の所在地に企業の子会社などの海外拠点が存在している場合には、当該企業の研究開発パフォーマンスが高まることがわかった。第二に、連携パートナーの海外大学の所在地が先進国である場合には、当該企業の研究開発パフォーマンスが高まることがわかった。国際連携をどのように実施するか、あるいはどのような国の連携相手を選択するかにより企業の研究開発活動の成果が影響を受けることが示唆された。