ジェネリック医薬品の普及とインセンティブ:一般名処方加算の導入の影響

執筆者 西川 浩平 (摂南大学)/大橋 弘 (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2017年6月  17-J-039
研究プロジェクト 新しい産業政策に係わる基盤的研究
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概要

本稿では、2012年に実施された一般名処方の推進を含む一連のインセンティブ政策が、ジェネリック医薬品の普及に及ぼした影響を評価する。分析を通じて、次の3点が明らかとなった。(1)当該政策を通じて、ジェネリック医薬品の販売量は7.7%程度押し上げられ、特に病院、診療所でのジェネリック医薬品の利用が拡大された。(2)都道府県別に分析したところ、ジェネリック医薬品の利用のみならず、政策の効果についても地域差が存在した。政策の効果と過去のジェネリック医薬品の利用状況は正の相関関係にあり、2012年以前からジェネリック医薬品を積極的に利用していた地域ほど、政策の効果が大きい傾向にあることが確認できた。(3)ブランド医薬品からジェネリック医薬品への切り替え時の作用機序の変更を考慮に入れて2012年に行われた政策の財政効果を試算したところ、降圧剤市場全体の1.2%にあたる、年間118.0億円程度の薬剤費を抑制したことが明らかとなった。この結果は、作用機序の変更を考慮しない場合と比較して、30.1%だけ抑制額が大きく推定されているため、作用機序の変更を考慮しない従来の方法に基づく数値は過少に試算されている可能性がある。