中国三大都市群の人口構造変動についての考察

執筆者 孟 健軍  (客員研究員)
発行日/NO. 2014年8月  14-J-041
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概要

中国経済の発展と都市化の進展に伴い、いくつかの大規模な都市群が形成されている。これらの大規模な都市群は主として東部沿海地域に位置する。そのうちの三大都市群とは、北京を中心とする環渤海地域、上海を中心とする長江デルタ地域、そして広東を中心とする珠江デルタ地域である。筆者は、近年の急速なインフラ整備によってこの三大都市群の域範囲は行政上の地区レベル以上の156都市地域により構成されていると考えている。2010年の人口センサスにおいて、これらの都市地域の平均人口規模はすでに500万人に達した。

本稿はこの156都市地域を対象にし、2000年と2010年の人口センサスデータを用いて、三大都市群における人口構造変動とその要因を考察する。具体的には、まず156都市地域の地域特性を通じ、三大都市群の定義と分類を行う。次に人口センサスデータの計量分析を通じ、三大都市群における人口構造変動の共通性と差異性を考察する。さらに、その変動要因は何かについて分析する。最後に、これらの人口構造変動によって中国の経済社会に及ぼす影響とその政策課題を探る。