組織の情報化と女性の活躍推進

執筆者 牛尾 奈緒美  (明治大学) /志村 光太郎  (株式会社ヒューマネージ)
発行日/NO. 2014年5月  14-J-031
研究プロジェクト ダイバーシティとワークライフバランスの効果研究
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概要

本稿では、女性の活躍推進において組織の情報化を有効に活用している企業に対してインタビュー調査を実施し、両者の関係性について考察を行った。その結果、次のようなことが指摘できる。

女性の活躍をはばんでいる重要な要因として、女性に対する画一的な認識と、インクルージョン(受容)というスタンスの欠如があげられる。

それを補うために、(1)女性においても多様な個が存在することを認識する。その上で、(2)そうした女性の多様性を受け入れる、つまり、インクルージョンというスタンスをとる。女性の活躍推進においては、これらを体制・風土として確立する必要がある。

次に必要となるのが、有効な施策である。体制・風土と施策の双方が揃って、はじめて女性の活躍推進は機能する。施策としては、継続就業に関連するものと能力発揮に関連するものがある。ただし、両者は別個のものではない。同時にかみあってこそ意味がある。

以上の体制・風土、諸施策を強力に支援しうるのがITである。ITを有効に活用することで、より一層、1人ひとりにマッチした対応をとることができる。