執筆者 |
山本 勲 (慶應義塾大学) |
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発行日/NO. | 2014年3月 14-J-017 |
研究プロジェクト | ダイバーシティとワークライフバランスの効果研究 |
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概要
本稿では、企業パネルデータを用いて、どのような企業で女性活用が進んでいるのかを定量的に明らかにする。検証の結果、職場の労働時間の短い企業、雇用の流動性の高い企業、賃金カーブが緩く賃金のばらつきの大きい企業、WLB施策の充実している企業では、正社員女性比率や管理職女性比率が高くなっていることがわかった。このことは、長時間労働、長期雇用、大きい労働の固定費用、画一的な職場環境といったものが、企業における女性活用の阻害要因になっていることを示唆する。女性活用の進んでいる企業では利益率が高いことも確認されるため、女性の能力・スキルを最大限に活用するための環境を整備し、女性を正社員や管理職として雇用することは、女性労働者だけでなく企業にとってもメリットがあると指摘できる。