執筆者 |
田中 誠 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2008年12月 08-J-063 |
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概要
近年、排出権取引の導入に伴う諸問題に関して議論が活発に行われている。本稿では、先渡し契約・スポット取引の両方で構成される寡占的電力市場において、排出権取引が導入される場合を分析する。特に、内生的な先渡し・スポット市場の枠組みの中で、排出権価格が戦略的な駆け引きのもとで決まる問題を考え、均衡制約をもつ均衡問題 (EPEC: Equilibrium Problem with Equilibrium Constraints) として定式化を行う。そして、モデルにもとづく簡単な数値例を用いて、戦略的な駆け引きのもとで排出権の均衡価格がどのように決まるかを分析する。また、排出権の初期配分量の違いが、社会的余剰にどのような影響をもたらしうるかを考察する。