執筆者 |
家森信善 (名古屋大学) /冨村圭 (名古屋大学) /播磨谷浩三 (札幌学院大学) |
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発行日/NO. | 2008年9月 08-J-044 |
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概要
近年、金融機関のガバナンス強化が大きな課題となっている。買収圧力や社外取締役制度などの株式会社一般に関する議論は、株式会社制度をとる銀行に関してはそのまま適用できるであろうが、協同組織金融機関である信用金庫に関してはそのまま適用できるとは限らない。本稿では、信用金庫の業務遂行および業務監視機能の中核をになう理事会に焦点を当てている。具体的には、信用金庫の理事会の規模がどのような要因によって決まっているのか、また、信用金庫の理事会の規模が経営パフォーマンスとどのような関係にあるのかを分析した。前者に関しては、信用金庫の資産規模が大きいほど理事会も大きいことが確認された。しかし、従業員人数に比べると理事人数は、信用金庫の資産規模との相関は弱く、理事人数は資産規模以外の要因が相当働いていることが確認された。後者については、株式会社を分析している先行研究とは異なり、理事会規模と経営パフォーマンスの間で明確な相関関係を見出すことはできなかった。