地域要因が出産と妻の就業継続に及ぼす影響について―家計経済研究所「消費生活に関するパネル調査」による分析―

執筆者 樋口 美雄  (ファカルティフェロー) /松浦 寿幸  (研究員) /佐藤一磨  (慶應義塾大学商学研究科/経済産業研究所)
発行日/NO. 2007年3月  07-J-012
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概要

本論文は、出生率の地域格差に注目し、地域的な要因が出産行動と就業の継続に及ぼす影響について分析を行った。分析に際して、ミクロデータと各個人が居住している地域の属性データを組み合わせることで、職種や年齢、学歴といった個人属性をコントロールしつつ、各地域の住環境等の違いが女性の出産行動と就業の継続に及ぼす影響を検証した。地域要因としては、住宅事情、通勤時間、家族政策、景気動向に注目した。出産行動と妻の就業継続の同時性を考慮するためにBivariate probitモデルを用いて推計を行ったところ、賃貸住宅か持ち家かによって第2子目の出産確率が異なる、夫の通勤時間と保育所定員数が第1子目の出産と相関が持つ、という結果を得た。