中小・ベンチャー企業のイノベーションと東アジア・グローバル経営

執筆者 三本松 進  (コンサルティングフェロー)
発行日/NO. 2006年12月  06-J-061
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概要

本研究は、17年度の「日本企業のグローバル経営とイノベーション」の続編の研究で、研究蓄積の少ない日本の中小・ベンチャー企業のイノベーションと東アジア・グローバル経営について研究している。

今後、日本のこれら企業として、最近の知識経済化してグローバル最適な国際分業が進展している経済環境下において、持続的な企業成長を図るためには、その製品・サービスの供給において可能なイノベーションのフィールドを国内のみならず東アジア地域、グローバルな市場に拡大してこれを実現し、必要な東アジア経営・グローバル経営を行い、国内を含む東アジア地域市場で経営上の成果を上げることが望まれている。

このため、本研究では、このようなイノベーションと東アジア・グローバル経営を統合的に管理する新しい組織経営のあり方を解明し、今後の新しい企業成長の方向を明らかにするため、(1)物とサービスに区分して、研究上の全体フレームを構築するとともに、(2)東アジア経営・グローバル経営に向けてのレベルと道筋の分類の考え方を構築した。

先進的なイノベーション主導で東アジア・グローバル経営を実践(又は志向)している中小・ベンチャー企業のケーススタディーにより、全体フレームワーク及びこの道筋の考え方の妥当性を概ね確認した。

また、商品特性の異なる物とサービスの組織的供給において、市場での成果確保のため、共通に必要な経営管理上の条件(顧客志向の機能別のチェーンの全体最適な仕組の構築・運用)も明らかにしている。

今回の研究過程で明らかになった中小・ベンチャー企業の東アジア・グローバル経営、東アジア地域でのイノベーション、等に関する提言も行っている。

いずれにしても、今回の研究は、本領域での新しいフレームワークによる本格的な研究に向けた第一歩であり、関係方面の今後の研究の参考になれば幸いである。