モジュール製品間の統合は可能か
―パソコンNCの成立過程の分析―

執筆者 柴田友厚  (香川大学大学院) /児玉文雄  (ファカルティフェロー/東京大学/芝浦工業大学専門職大学院)
発行日/NO. 2006年5月  06-J-040
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概要

モジュール統合とは、異なる技術軌跡を辿る2つの製品システムがそれぞれモジュール・アーキテクチャに到達した後に、2つのシステムが統合されて、新たな製品コンセプトが生まれることを意味する。そのような統合はそもそも可能なのか。可能だとすれば、どのようにして実現されるのだろうか。本稿では、パソコンNCの事例を分析してモジュール統合の可能性を例証する。この事例研究に基づき、製品アーキテクチャのダイナミクスに関する既存研究の到達点を確認した結果、転用オペレータの作用によって、製品アーキテクチャが再編されることを発見した。この発見を基に、モジュール統合の可能性を理論的に考察する。