執筆者 |
深尾 京司 (ファカルティフェロー/一橋大学経済研究所) /権 赫旭 (一橋大学経済研究所) /滝澤美帆 (一橋大学大学院経済学研究科) |
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発行日/NO. | 2006年3月 06-J-024 |
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概要
本論文では、『企業活動基本調査』の個票データを利用し、製造業、卸売・小売業における対日・国内企業間買収の効果に関する分析を試みた。また、産業別の比較に加え、国内企業におけるグループ内M&Aとグループ外M&Aを区別した分析を行った。得られた主な結果は以下の通りである。(1) 外国企業は、労働生産性、および収益率が高く、研究開発や輸出を活発に行っている日本企業を買収対象に選ぶ傾向があった。また、買収後は、被買収企業の生産性指標や収益率はさらに改善した。(2)日本企業は、収益率、および輸出比率が低く、負債比率が高い日本企業を買収対象に選ぶ傾向があった。また、買収後は、被買収企業の生産性指標や収益率には有意な正の効果は無かった。(3)なお、産業別の推計や国内企業間買収をグループ内・外の買収に分けた推計も行ったが、主な結果は違わなかった。