執筆者 |
後藤 晃 (ファカルティフェロー/東京大学) /玄場公規 (芝浦工業大学) /鈴木 潤 (芝浦工業大学) /玉田 俊平太 (ファカルティフェロー/関西学院大学) |
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発行日/NO. | 2006年3月 06-J-018 |
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概要
科学技術政策立案にイノベーション研究が果たす役割は大きい。しかしながら、イノベーション研究の前提である企業のイノベーション指標に関する分析は、日本ではほとんど行われていない。従来、用いられてきた代表的な指標は、研究開発投資額や特許数などであったが、これらはイノベーションの指標として十分とはいえない。本研究は、イノベーション指標として特許の重要性に着目し、技術動向調査から重要特許を抽出し、重要特許を判別する指標を分析した。分析の結果、被引用数(ある特許が他の特許に引用される回数)が特許の重要性を測る指標として有効である他、発明者数、引用特許数も指標として有効であることが分かった。一方、ライフサイエンスの分野の重要特許は、引用論文数(サイエンスリンケージ)が高い傾向にあるものの、サイエンスリンケージが高いということが必ずしも重要特許を判別する指標とはならないことが示された。