消費者余剰アプローチによる政策評価

執筆者 金本良嗣  (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2004年9月  04-J-042
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概要

政策評価モデルのなかで最も単純なのは部分均衡の枠組みを用いる消費者余剰アプローチである。このアプローチは、需要曲線の左側の面積で測られる消費者余剰を用いるものであり、きわめて単純な枠組みではあるが、適用可能な例は意外に多い。消費者余剰アプローチを具体的な政策評価に適用するためには、様々な工夫が必要であり、また、注意深い適用を行わなければ重大なバイアスを招いてしまう。本稿では、消費者余剰アプローチの適用例としてアメリカにおける燃費規制の評価と日本における高速道路の評価の2つをとりあげ、具体的な適用における様々な問題点を検討する。