執筆者 |
川越敏司 (ファカルティフェロー) /山森哲雄/加藤一彦/松井彰彦 |
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発行日/NO. | 2004年2月 04-J-005 |
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概要
本稿は、独裁者ゲームに服従者によるボイス・オプションが加わった、次のようなゲームを実験によって考察する。すなわち、通常の独裁者ゲームのように、独裁者がある一定金額のパイに関する配分を選択し、その選択がそのまま二人の配分として確定するのであるが、服従者は、独裁者が選択をする前に、自らが希望する最低額を独裁者に伝えることができる。実験結果は、独裁者の決定する配分が服従者の「声」に依存しない、という仮説を棄却した。さらに服従者による希望額に対する独裁者の反応に関して、等分より低い希望額に対しては、ほぼその額どおりに配分を決定し、それを超える希望額に対しては、受け手の取り分が希望額とともに減少していく、という結果が得られた。