通信要素のアンバンドリング

執筆者 池田信夫  (上席研究員)
発行日/NO. 2003年10月  03-J-012
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概要

インターネットの普及にともなって、通信政策の重点は、従来の交換機接続型の規制から通信要素の「アンバンドリング」による規制へと移っている。しかし、TCP/IPは従来の電話網のアーキテクチャを全面的に変更する「汎用技術」なので、この移行の戦略は従来の電話規制の延長で考えるべきではない。加入者線の物理層を共有してIP接続を行うアンバンドリング規制には交渉問題が生じるので、これをいかに回避するかが重要な問題である。インターネットにおいては、技術的に水平分離が行われているので、資本を分離することよりもインターフェイスを標準化し、情報を開示するなどの規制のほうが有効である。日本はブロードバンドにおいて例外的な成功例だが、その原因はNTTの特殊な経営形態などに依存し、あまり一般化できない。アンバンドル規制が成功して競争が導入されると、狭義の電気通信産業は縮小するので、電話会社をどう整理し、電話網のユニバーサル・サービスをどう維持するかが課題となろう。