「モジュール化」の経済学
Economics of Modurarity

執筆者 鶴 光太郎  (上席研究員)
発行日/NO. 2002年6月  02-J-009
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概要

本稿は、「モジュール化」とその対極的な概念である「インテグラル化」について、製品・システム全体のパフォーマンス最適化のために必要なコーディネーションのタイミングの違い(事前、事後)に基づいて定義し、「モジュール化」、「インテグラル化」の間の選択問題を考えるため、いくつかの具体例に基づいて簡単な理論モデルを構築した。これらのモデルによれば、両者のコーディネーション・コストの違いのみならず、モジュール毎のパフォーマンスのばらつきが大きいと「モジュール化」が有利となることが示された。また、「モジュール化」に必要なコーディネーション・コストがサンク・コストであるため、「モジュール化」が機能する時間的視野等への配慮も重要な選択基準になることが指摘された。