COE中国貿易データ:1988-1994の作成方法について

執筆者 深尾 京司/清田 耕造/米川 進
発行日/NO. 1999年4月  99-DOJ-95
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概要

本論文は、一橋大学経済研究所のCOE(拠点形成プロジェクト)で整備を進めているアジア各国の貿易データのうち、通商産業研究所と共同で作成した1988年から1994年までの中国貿易データ(COE中国貿易データ)について解説したものである。本論文では、現在我々が作成している中国貿易データのうち2種類の貿易データを紹介する。第一に、『商品別貿易データ(1988-1994、世界計)』である。第二のデータは、『相手国別貿易データ(1981-1994、商品計)』である。これらのデータの原資料は、日本貿易振興会アジア経済研究所の貿易データベース(AID-XT)や中華人民共和国海関総署主編の『中国海関統計』などである。

『商品別貿易データ』は、1988年から1994年までの期間について、商品分類をSITC-R1の3桁で統一して集計したものである。原資料であるAID-XTにはSITC-R2、R3のデータしか存在しない。このため我々は、『商品別貿易データ』の作成にあたってR2とR3のデータをR1に変換するという作業を行った。R1に変換した後のデータを時系列で見た場合、R2からR3に切り替わる部分においても、本論文で作成したR1の貿易額には大きな変動が見られないことがわかった。

『相手国別貿易データ(1981-1994、商品計)』は中国の貿易相手国別に集計したものである。AID-XTで別掲されていない国については、『中国海関統計』などを利用してできる限り別掲するという作業を行った。『相手国別貿易データ』の総額を国連統計の総額と比較したところ、両者の間には誤差がほとんどないことを確認できた。

これらの理由から、我々が作成したCOE中国貿易データは信頼性の高いデータであると言える。