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電波探検隊

※本プロジェクトは、終了しております。

周波数帯利用実態調査

1. 総論

マイクロ波帯周波数帯については、従来はその電波的特性(強すぎる直進性、電力を上げる必要性等)から、無線用の帯域としては使えないと言われてきたが、昨今は技術革新が進み、周波数帯域量辺りの通信帯域も増加しているほか、おおよそ10Ghz帯程度まではインターネットを支える通信基盤、すなわち無線LAN等に使える目処が立ってきている。

それにより、従来インターネット(無線LAN等) ではなく、レーダーやマイクロ波通信等に割り当てられてきたマイクロ波帯域の無線LANへの解放を求める動きが本格化しつつあるわけだが、基本的にほとんどの帯域が既に通信事業者等に割りふられてしまっているのが現状であることから、それら既得権者に対して、必要な周波数が本当にどれほど必要なのか、無線を使う必要性はあるのか、等、周波数をどのように整理していくのかという議論を*例外なく*行うことが、既存事業者の業務を保障する必要があるものの、無線インターネットの発展には欠かせない事項となってくる。

今回、マイクロ波帯(及びUHF帯)の調査を行って、わかったことは、簡単にまとめると以下のような事項である:

  • 防衛庁が管理している設備(レーダー等) を退かすのは極めて難しい。
  • 航空航行等、安全に直結する無線利用を退かすのも、極めて難しい。
  • UHF帯では防災無線・消防無線等、安全に関わる無線設備に多大な周波数が割かれている。(代替手段はあるのか?)
  • 他方、UHF帯に所在する民間業務用無線(MCA等)は利用状況に応じて解放が可能かもしれない。
  • 注目すべきは4Ghz帯より上。特に、電力会社が持つ多量な周波数割当をどうみるか。
  • 4.6Ghz-4.9Ghz帯で余裕があるが、この部分は4G携帯電話のために空けてあるようだ。
  • IEEE802.11aの使用帯域として有望な5Ghz帯の開放状況は決定的に立ち遅れており、米欧と比べると悲劇的である。この遅れは無線LANを通じたラストワンマイル問題の解決、またブロードバンドの普及に決定的な打撃となることが予想される。

2. 調査方法へ>>

  1. 総論
  2. 調査方法
  3. 周波数の利用状況(I)
  4. 周波数の利用状況(II)
  5. 周波数の利用状況(III)
  6. まとめ

利用状況図(PDF)>>

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