このテーマはなぜ重要か、ということを説明したいと思います。ビジネスモデルが変わると、付加価値構造それ自体も変わってきます。特に、企業は柔軟性の高いビジネスを展開していかないと、特に中小企業ではそれがとても大事です。デジタル経済のインパクトは、これまではB to Cの分野で非常に大きい進展がありました。例えば、米国のアマゾンとか、ウーバーなどでは大きな変化がありました。また、ドイツでも状況が非常に大きく変わりました。社会に対する影響も非常に強かったわけです。
その考え方は、サッカーに例えられています。これまで、サッカーは前半戦でした。その前半戦ではB to Cという戦いですが、そこでは米国が圧勝しました。けれど、後半戦の戦いはB to Bです。このB to Bで、ドイツは勝てるだろうか、ドイツはこのB to Bの戦いで勝たなければいけないというふうに考えています。このB to Bの戦いでは、政治、社会、労働組合からのサポートが必要です。
B to BのビジネスとB to Cのビジネスは大きく違います。B to Bビジネスの現実がどうなっているかというのを説明したいと思います。それは、デジタルにとって付加価値とは一体何かということです。これまでは、アナログのセンサーを付けて、センサーからデータを収集してきました。ですが、これからアナログからデジタルの世界に変わるわけですが、デジタルの世界にとりましてデータはまさに材料です。デジタルの付加価値は、まずハードを付けることが必要です。そこからデータを取り、それを分析するデータ分析という2つのものが必要です。このように、B to BとB to Cの違いは、全く違うわけです。
データはデジタル化にとりまして、いわゆる原材料と考えられます。付加価値を創出するのは、データそのものです。ですが、個人データを収集することは非常に難しい点があります。まず、われわれは、データを取るためにいろんなアプローチが必要です。まず、データ管理のモデルをつくる必要があります。これは、B to Bでどのようにアクセスするかという定義をする必要から始まります。われわれは、企業と協力しながら、この定義をつくり上げなければなりません。
B to Bがうまく働くためには、データが使われる、データの提供範囲、その保存について決める必要があります。まず、第一に、IoTプラットフォーマーが直接メーカーと契約することでデータの提供を受けます。二番目に、独立したサービスプロバイダーにデータを提供します。これは、ユーザーが了解をしなければなりません。この新しいサービスプロバイダーが新しいビジネスモデルになります。
基本的なことをご紹介すると、米国のGAFAは、B to Bといえるものでは、現在、ありませんが、B to Bに非常に強い意欲を示しています。B to BとB to Cの共通の技術は、GAFAにとっても非常に強いプラットフォーマーとしての経験があります。グーグルは、ドイツにおいて、このB to Bのサービスを始めるために、ネストという会社を買収しました。グーグルは、このB to Bのビジネスでも、非常に意欲的です。このままでは、ドイツがノウハウを蓄積しないと、米国や中国に負けてしまうことになるのではないかと思います。