人口減少と地方消滅:克服への処方箋
第3話 都市の大小と配置が決まるしくみ

執筆者 森 知也(ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2025年11月  25-P-017
研究プロジェクト 人口減少下での日本の都市と地域の持続可能性
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概要

本稿では、そもそもなぜ人は集まって都市を作るのか、なぜ様々な人口規模の都市ができるのか、どのように都市の配置が決まるのか、そのしくみを消費者や企業などミクロな主体の行動が積み重なった結果として理論化します。企業の商圏サイズは産業間で異なり、産業の立地間隔は商圏の大小によって決まります。一方で、異なる産業の企業同士は消費者が共通であるために寄り合って立地します。結果として地域経済には、小都市が産業の多様な大都市を囲み、それら大都市が産業のさらに多様な大都市を囲む入れ子構造が現れます。こうした地域経済のマクロな構造を、ミクロから一貫した理論で説明することで、人口減少などの経済の前提条件の変化に伴うその変化を予想できます。