人口減少と地方消滅:克服への処方箋
第2話 経済理論とデータで読み解く日本の都市の過去50年

執筆者 森 知也(ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2025年9月  25-P-013
研究プロジェクト 人口減少下での日本の都市と地域の持続可能性
ダウンロード/関連リンク

概要

日本の過去50年は、新幹線・高速道路・航空路全てが整備され、インターネット・スマートフォンが普及し、輸送・通信費用が大幅に減少した期間でした。そもそも人々や企業が都市に集まるのは移動や通信に費用がかかるためですから、人・モノ・情報の移動費用の変化は人口の地理的分布に大な影響を与えます。本稿では、この距離障壁の崩壊とも言える交通・通信アクセスの向上によって、都市をまたいで起こった人口分布の変化による都市の盛衰と、都市内部で起こった人口分布の変化、およびそれらの背景にあるメカニズムを、人口集積としての「都市」に注目し、経済集積理論に照らし合わせてひも解きます。