執筆者 | 元橋 一之(ファカルティフェロー)/金 榮愨(専修大学) |
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発行日/NO. | 2024年11月 24-P-010 |
研究プロジェクト | デジタルイノベーションモデルに関する研究 |
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概要
生成AIなどの新しいAI技術の進展によって、企業におけるAIのビジネス利用が進んでいる。ただ、その一方でAIから一定の経営効果を上げている企業は少ないといわれている。AIによる経営効果を発揮させるためには、利活用のための人材や企業組織の変革(DX)等の補完的経営資源が必要となるが、企業全体としてのAI利活用に関する戦略の欠如からこれらの資源に対する投資が不十分であることが原因と考えられる。このような問題意識の下、経済産業研究所においては2024年1月~3月の間に『AI・データの経営活用に関するアンケート調査』を行った。ここではこのアンケート調査の結果(5000社に対する郵送調査の結果、650社から回答を入手:回収率13%)を用いて、AIの経営効果を考えるうえでの経営資源、特にデータと人材に着目して記述的統計を用いた分析結果を述べる。その結果、AIを導入している企業は比較的若い企業であり、大企業において導入比率が高いとは限らないこと、データ活用に関する人材に求めるスキルについて、AI導入企業においては事業ドメイン知識をより重視する傾向にあり、AI非導入企業においては情報処理やプログラミング能力を重視する傾向にあることなどが明らかになった。