デジタル化による製造業の競争戦略：プラットフォーム理論による検証

AIやビッグデータの活用が製造業において進む中で、モノづくりの在り方についてもデジタルサービス化を含めた変革が見られる。本稿ではプラットフォーム理論を用いて、製造業におけるデジタルイノベーションの現状とGAFA等のインターネットプラットフォーマーを含めた異業種との競争戦略について検討を行った。コマツやGE等に見られる既存企業のIoTアプリケーションについては、B2Cインターネットプラットフォーマーとの競合を直接受ける状況ではないが、プラットフォーム経済が持つネットワーク効果は産業構造を急激に変革させる力を持つ。製造企業としては顧客データを活用したデジタルサービス開発を進めていくことが必須である。また、異業種企業も含めたエコシステム構築を見据えた戦略の重要性が高まっており、シナリオ分析等によって将来の予見性と状況変化に対する柔軟な対応能力が必要とされる。