コロナショックと日本の医療体制:状況報告と論点整理

執筆者 増原 宏明 (信州大学)/細谷 圭 (國學院大學)
発行日/NO. 2021年2月  21-P-003
研究プロジェクト コロナ危機後の資本蓄積と生産性向上
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概要

新型コロナはわが国の経済はもちろんのこと、医療の供給体制(態勢)にも大きな影響を及ぼした。本稿は、2つのテーマでその問題を概観する。まず、2020年8月末までと11月末までのデータを用いて、感染状況に関する主要な事実を確認する。新型コロナのオープンデータ、モビリティデータ、そして指定統計を組み合わせ、都道府県パネルデータ(日次、週次)を構築し、感染動態への影響と、人々の移動や医療供給体制の逼迫度合いとの関係について分析する。次に、わが国の医療供給体制の限界について実態に即した分析を行う。新型コロナは、重症化した場合に感染症病床ではないICUと、ICUの人員配置基準を大幅に上回る治療体制を必要とした。医療法と診療報酬によって規定された病床の間隙を突かれたとともに、病院は経営上の困難に直面した。さらに、感染症法と医療計画で構築された防疫体制も、想定外の事態に陥った。