執筆者 | 森田 学 (大阪商業大学)/石川 良文 (南山大学)/中村 良平 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2020年1月 20-P-002 |
研究プロジェクト | イノベーションを生み出す地域構造と都市の進化 |
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概要
「輸出商社の強みや利益の増加動向に関して、都市と地方における違いは小さい」ことが占部(2019)において明らかにされているが、都市部の卸売事業者と比べて輸出額の少ない地方の卸売事業者がどのような業務を提供し、どのような手段によって利益を確保しているのかは明らかとなっていない。
本論文では、輸出を行う卸売事業者の提供可能な業務やその取引特性が、輸出による利益に違いをもたらしているのか否か分析するとともに、提供可能な業務の地域差を明らかにし、地方における間接輸出のあり方について検討を行った。分析の結果、「商品の企画提案」が提供可能な卸売事業者の仲介手数料率が高く、その「商品の企画提案」が提供可能な卸売事業者の割合は北陸で最も高いこと、提供できる業務の範囲は東京都や大阪府など大都市部の卸売事業者の方が地方の卸売事業者よりも総じて広いことなどが示された。また、輸出規模が小さい卸売事業者ほど、輸出先に関する情報の入手とその活用が重要であることが示唆された。