プロジェクト概要
人事データなどの企業内業務データ、および企業内でのフィールド実験を活用し、労働経済学や行動経済学の理論的な発展に寄与すると共に、目下の政策課題に照らし合わせて、重要な研究課題の発掘と理論実証両面からの探索的研究を行う。具体的には、以下の13の研究が柱となる。
- どのような施策や慣習が男女格差を引き起こしているか。
- 対人スキル研修や組織間移動が生産性やイノベーションにどのような影響を与えているか。
- 社員の性格特性がメンタルヘルスにどのような影響を与えているか。
- 業務の可視化を通じたプロセス合理化が生産性にどのような経路でどの程度の影響を与えうるか。
- 中間管理職はどのような経路で生産性に影響を与えるのか。
- 継続雇用制度による高齢社員の配置が本人や同僚にどのような影響を与えているか。
- 禁煙が労働者および同僚の生産性や満足度にどのような影響を与えるか。
- 食事内容の改善や運動の奨励が労働者の健康と生産性にどのような影響を与えるか。
- 酒蔵の人的資本やマネジメントとイノベーション(鑑評会結果)の間にどのような関係があるか。
- (みずほ総合研究所との共同研究)働き方改革の実態調査と実施効果の検証
- 労働時間や勤務時間帯、および上司の行動特性がメンタルヘルスに与える影響
- 社内FA制度など本人の希望に沿った異動の生産性効果
- 多国籍企業における海外拠点の人材配置とパフォーマンスの関係
これらの研究を通じて、経営と生産性格差の違いの関係、男女格差の原因、非認知能力の労働市場における価値、職場内のピア効果について多くの知見を導くと同時に、どのような労働施策を奨励し、政策的なインセンティブを与えるべきかについても議論を進める。
プロジェクト期間: 2019年7月 1日 〜 2021年6月30日
主要成果物
2021年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 21-E-071
"Temporary Work Contracts and Female Labor Market Outcomes" (ASAI Yukiko and Dmitri K. KOUSTAS) - 21-E-046
"Do Japanese Expatriates Matter for Foreign Subsidiary Performance? A Role-Based Analysis of Three-Wave Panel Data" (Jesper EDMAN and Riki TAKEUCHI) - 21-E-040
"Enhancing Team Productivity through Shorter Working Hours: Evidence from the Great Recession" (Ruo SHANGGUAN, Jed DEVARO and OWAN Hideo) - 21-J-032
「禁煙プログラムの生産性への短期的影響」 (高橋 孝平、中室 牧子、大湾 秀雄) - 21-J-021
「働き方改革の広がりと実効性」 (高橋 孝平、有田 賢太郎、大湾 秀雄、風間 春香、児玉 直美、酒井 才介、竹内 誠也)