プロジェクト概要
新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済的なショックにより、政府は企業の更なる資金繰り悪化を防ぐために政府系金融機関による貸出や信用保証付き貸出などさまざまな支援措置を提供した。これらの支援措置は、倒産減少など企業の資金繰りを助けるのに大きな効果があった。しかし、一部企業ではこれにより大幅に負債が積み上がり、正の価値のプロジェクトを有しているにもかかわらず過去の債務が理由で新規資金調達ができずに投資が抑制されるdebt overhangに直面する企業や、事業再構築と債務の整理を同時に進める必要に直面する企業が増加している可能性がある。本プロジェクトでは、企業向けアンケート調査を実施した上で、前回調査も含めたデータに基づきコロナショック後の資金調達と企業行動についての分析を行う。また、中小企業をはじめとする企業の中でも、経営不振企業や資金繰り支援策の利用企業の実態把握、事業再生に移行する企業の属性や事業再生の成否の検証に関する研究課題を設定し、主にデータを用いた実証分析を通じて成果を挙げる。
プロジェクト期間: 2021年11月 1日 〜 2024年4月30日
(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は2021年11月1日 〜 2023年10月31日とし、データ利用報告期間は2023年11月1日 〜 2024年4月30日とする)
主要成果物
2023年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 24-E-007
"Determinants and Consequences of Bank Borrowings of Small Businesses: Is the COVID-19 crisis special?" (TSURUTA Daisuke) - 24-E-001
"Imperfect Take-up of COVID-19 Business Support Programs" (HONDA Tomohito, HOSONO Kaoru, MIYAKAWA Daisuke, ONO Arito and UESUGI Iichiro) - 23-E-088
"Anatomy of Out-of-court Debt Workouts for SMEs" (HONDA Tomohito, ONO Arito, UESUGI Iichiro and YASUDA Yukihiro) - 23-E-085
"Zipf's Law without the Stationarity Assumption" (ARATA Yoshiyuki) - 23-E-084
"Real Effects of Corporate Cash Holdings: Evidence from Japan" (HATTORI Masazumi, FUJITANI Ryosuke, NAKAJIMA Jouchi and YASUDA Yukihiro) - 23-E-083
"Credit Allocation and Public Credit Guarantee Schemes for Small Businesses: Evidence from Japan" (TSURUTA Daisuke) - 23-E-076
"Unit Cost of Financial Intermediation in Japan, 1954 - 2020" (GUNJI Hiroshi, ONO Arito, SHIZUME Masato, UCHIDA Hirofumi and YASUDA Yukihiro) - 23-E-072
"Characteristics of Green Loan Users and the Green Policy Mix" (Anna L. SOBIECH and UCHIDA Hirofumi) - 23-E-034
"Unsecured Loans and Intangible Investment" (OGURA Yoshiaki, UESUGI Iichiro and IWAKI Hiromichi) - 23-J-040
「リース資産投資と設備投資:リース業の技術的特性に関する実証的検討」 (宮川 大介、矢澤 広崇、柳岡 優希、雪本 真治)