プロジェクト概要
2006年度~2007年度
90年代後半からの地域経済統合(FTA、EPA、関税同盟)の隆盛には刮目すべきものがあり、この現象は社会科学各分野において高い関心を呼び起こしているが、その法的側面の分析については一般に立ち後れている。地域経済統合もまたWTO同様に膨大な法律文書によって行われ、また、GATT24条に根拠をもつ通商「協定」である。よって、その具体的な制度設計、そして完成後の運用においては、法的分析が政策ツールの中心とならなければならない。
このような問題意識のもと、本プロジェクトはこれまでの主要な地域経済統合の分野別の制度比較を行い、地域経済統合の法的制度設計の類型化とその特質を明らかにする。このことにより、統合の法的規律のあり方としていかなる選択肢がありうるのか、そしてそれらが実効的な経済統合にいかに役立つかを提示する。
プロジェクト期間: 〜 2007年12月31日
主要成果物
2007年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 08-J-005
「地域貿易協定(RTAs)における知的財産条項の評価と展望」 (鈴木 將文) - 08-J-002
「WTO紛争解決手続の正統性と透明性-私的利益/公的利益モデルによるDSU交渉の現状分析-」 (小林 献一) - 07-J-051
「欧州経済領域(EEA)における法の均質性―複数地域経済統合体の融合と域内共通秩序実現の一例として―」 (小場瀬 琢磨) - 07-J-050
「WTOと地域経済統合体の紛争解決手続の競合と調整-フォーラム選択条項の比較・検討を中心として-」 (川瀬 剛志) - 07-J-040
「二国間投資条約/経済連携協定における投資仲裁と国内救済手続との関係」 (阿部 克則) - 07-J-039
「地域貿易協定による関税自由化の実態とGATT第24条の規律明確化に与える示唆」 (上野 麻子) - 07-J-037
「国際制度としての地域貿易協定―日本の締結した経済連携協定の制度・構造の比較分析を題材として―」 (小林 友彦) - 07-J-036
「サービス貿易の自由化を伴うFTAにおける利益否認条項―FTAの非柔軟性に直面する締約国のための「裏口」は開くのか?―」 (渡邊 伸太郎)