日本版GPS『みちびき』(準天頂衛星システム)が実現する高精度衛星測位データ利用社会と新しい宇宙利用の展望

開催日 2017年11月16日
スピーカー 三本松 進 (野村総合研究所未来創発センター戦略企画室主席研究員)
コメンテータ・モデレータ 靏田 将範 (経済産業省製造産業局宇宙産業室長)
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2017年10月10日、『みちびき』(準天頂衛星システム)4号機の打ち上げが成功し、2018年4月から準天頂衛星システム4機体制の運用が開始される。これにより、センチメーター級の高精度衛星測位(3次元位置同定)が実現し、日本は世界に先駆けて「高精度衛星測位時代」を迎える。動くモノ(自動車、ドローン、ロボット、船等)に関連するIoT事業、さらにはこれらの自動運転など、多様な産業での利用が予想されており、産業分野別の展望を紹介する。

また、本年5月、内閣府に設置されている審議会 宇宙政策委員会は「第4次産業革命下の宇宙利用創造」を主命題に「宇宙産業ビジョン2030」を公表した。これと同期するタイミングで分析し、明らかにした日本の先端的な企業による新しい宇宙利用の5事例(全球衛星通信高速インターネット、全球AI利用リモートセンシング、高精度3次元道路地図・空間地図、人工流れ星等宇宙エンターテインメント)を紹介する。その価値、役割の評価において、地上系の第4次産業革命技術との関係を明示して、「地上と宇宙の共進化」の関係を明らかにする。

さらに、経済産業省製造産業局宇宙産業室の靏田室長が、本ビジョンと連動する経済産業省の新しい宇宙利用政策である「ビッグデータ時代の新たな衛星データ利用」について解説する。

議事録

世界に先駆けての高精度衛星測位時代

三本松進写真日本版GPSである準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」は、来年4月から4機体制での本格運用を開始し、衛星測位のサービス環境を劇的に進化させるといわれています。それがビジネスをどう拡大していくのかを整理してみたいと思います。

「みちびき」は、2010年に1号機、2017年の6月に2号機、8月に3号機、10月に4号機が打ち上げられました。3号機が静止衛星で、1、2、4号機は準天頂軌道上にあって、3機のうちいずれか1機が必ず日本の上にいて、安定した測位を可能にします。つまり、日本は世界に先駆けて「高精度衛星測位時代」を迎えることになるわけです。

準天頂衛星4機体制運用の優位性

高精度衛星測位の優位性は、測位データの正確さです。GPS単独測位では10m程度の誤差があり、マルチGNNS(衛星測位システム)でも2m程度の測定誤差が生じるのに対し、準天頂衛星4機による測位補強サービスでは数センチ程度の誤差に改善されます。欧州の測位衛星Galileoも2020年から同程度のサービスを開始予定ですが、有料、事業者向けで、起動・調整に時間がかかります。

官民連携での開発と海外展開

準天頂衛星システムは内閣府が開発・運用しており、官民一体となってアジア太平洋地域での利用拡大を支援しています。現在、豪州、タイでは農機の自動運転支援に活用され、シンガポールでは準天頂衛星システムをベースとした次世代の道路課金システムを受注しています。

今後も技術開発は継続し、2019年に社会実証実験を行って、2020年からはその成果を社会実装していく予定であり、さらに、2023年をめどに7機体制とすることも決定しています。現在、衛星測位利用推進センター(SPAC)が利用実証と海外普及支援を、高精度衛星測位サービス利用促進協議会(QBIC)が民間の業種別利用推進活動を展開しているところです。

衛星測位データ利用ビジネスの基本

衛星測位データを利用したビジネスの基本は、動くモノがいつ(時刻)、どこ(位置)にあるかという情報を使って、「動くモノのInternet of Things(IoT)」化を進めることだといえます。そこでは第4次産業革命の一環として、必要に応じて人工知能(AI)も活用されます。

その際には地図の精度も上げなければなりませんが、衛星測位情報の高精度化とともに地図の高精細化、3次元化が進み、その上で新たな位置情報サービスが可能となるでしょう。

そこで、衛星測位データ利用ビジネスを構造的に捉えるために、2点について明確化しました。1つは、衛星測位データ利用サービスの基本モデルである位置情報サービスの構造です。これが分かれば、測位ビジネスの構造が分かります。スマートフォンで測位ビジネスをする場合、ユーザーがいて、スマホの先にはサービス業者がいて、その中にクラウド上のプラットフォームがあって、いろいろな技術を組み合わせています。

この中で最も大事なのは、地図データに加え、空間解析(最短経路の検索など)やジオコーディング(住所を緯度・経度などに変換すること)などをすることです。つまり、現実の場所を空間上に置き換える作業によって、最適な航路などを計算したり、時系列を取ったり、ソーシャルメディアなどと連携したり、最近はAIや拡張現実(AR)の技術が組み込まれたりしています。

もう1つは、位置情報に関する業種別のビジネス展開の状況です。現在既に、スマホなどを通じた個人向けサービスやカーナビなどを通じた自動車向けサービス、GPS測量など電子基準点を使ったサービスがあります。

高精度衛星測位データ利用ビジネスへの展望

次に、高精度衛星測位データ利用ビジネスを展開するに当たって、3点について展望しました。まず、準天頂衛星システムによって単に精度が向上するだけなのか、それとも新しいビジネスが生まれるのかということです。そこで、準天頂衛星1号機を活用した利用実証・先行開発の17分野の事例を振り返ってみました。

すると、現行事業の高度化については淡々と進行している事例もありますが、新しいビジネスの展開準備も始まっていることが分かりました。新しいビジネスとしては、防災情報システムのアジア・オセアニアへの展開や、車線を認識する高精度カーナビの開発、自動運転コンセプトカーの発表、自転車宅配事業におけるナビゲート機能の開発、林間を走るトロッコ軌道車の運航管理、小型ボート用の安全運行管理システム、トラクター無人走行実験、野菜栽培用の自律移動型運搬ロボットの開発、ドローンの自律的荷物搬送などが挙げられます。

次に、今後どういう産業分野が考えられ、どういう時間軸で埋め込まれていくかを展望しました。産業分野別に見ると、個人向け、地図・カーナビ・自動車、交通、鉄道、船舶、建設・土木、農業、スポーツ、新分野事業などが挙げられ、説明資料の中の各分野別の記述の通り各事業の進展が見込まれるでしょう。

それから、とくに新しい事業に関しては、第4次産業革命と高精度衛星測位データ活用による新ビジネス展開の方向を検討しました。すると、新ビジネスには一定の法則性があり、「動くモノのIoT」は大きく分けて、自動運転系のタイプと、モノ、人が移動するのをセンサーなどで感知するタイプに分けられることが分かりました。

準天頂衛星システムの今後の課題としては、まず4機体制運用の周知と高精度衛星測位データの利用拡大が挙げられます。それから、小型の各種測位信号チップ・受信機の開発です。携帯などに入れるためには、受信機がチップになって、アンテナが小さくなる必要があります。また、アジア太平洋地域諸国での利用拡大を官民が連携して推進していかなければなりません。さらに、現行システムの高精度化だけでなく新しいサービスを志向することや、測位データを社会でどう活用するかという視点での取り組みも必要です。

日本の新しい宇宙利用の展望

日本の宇宙利用の新たな展望として、5つの先端的な事例を紹介します。

1つ目は、ソフトバンクが10億ドルを出資したOneWebです。超小型通信衛星コンステレーションによって、下り最大200Mps、上り最大50Mpsの高速インターネットの実現を目指しています。

2つ目は、アクセルスペース社による全球AI利用リモートセンシングです。成功すればダイナミックな高精度のリモセンデータを取ることができ、畳み込みニューラルネットワークの画像認識AI技術を使って、モノの探索や知的サービスを提供できるようになります。たとえば軍艦などの教師データを与えると、全て自動で抽出されると同時に、対象物に個数を掛ければ経営分析などにも応用が可能です。

3つ目は、高精度衛星測位データ利用ビジネスです。前段で説明済みですが、今後、ドローンの編隊飛行も可能となります。

4つ目は、ダイナミックマップ基盤社による高精度3次元道路地図です。簡単に言えばこれを加工すれば、道路周り都市空間における3次元地図はほぼ出来上がる。これを使ってクラウド上で空間のサイバーフィジカルシステムを開発することができ、防災や3次元ナビ、都市交通管理、社会インフラ監視などが可能になります。

5つ目は、人工流れ星です。2018年12月頃に衛星を打ち上げて、2019年初夏に広島でオープニングショーを行うそうです。このイベントに対してファミリーマートと日本航空が支援しています。

個別評価の前に、まず、第4次産業革命の主要な展開構造を振り返って見ました。

ドイツのインダストリー4.0は設計図を工場内でどう展開するかという縦系列と、サプライチェーンの横系列を一致させる取り組みであり、どちらかというとバックオフィスの生産の効率化に主眼を置いたものです。また、米国のインダストリアルインターネットは、たとえば航空エンジンにセンサーを付けて、IoT技術でこのエンジンのプロダクト・ライフサイクルを管理するものです。

一方、サービスモデルの革新では、宇宙を含む事業モデルで、データ取得、認識・分析、マッチング・予測、行動の最適化をします。これは多様な第4次産業革命においてよく出てくる事業モデルです。第4次産業革命というと、どうしてもIoTやAIといった個別の技術に意識が行きがちですが、本質は個別技術を使って事業モデルがどう変わるかです。

これから順に、各事例を先進国で進展する第4次産業革命と対比して評価します。

1 OneWebは、2020年ごろをめどに高速ネット接続を実現することで、第4次産業革命の地理空間上のフィールドが途上国へと拡大します。

2 アクセルスペースは、年末に新たな超小型衛星の打ち上げに成功すれば、第4次産業革命で進展するAI技術を使って、新たなサービス価値の提供が可能になります。

3 高精度衛星測位データ利用ビジネスでは、2018年4月より事業が開始し、先進国での本革命をリードする。

4 高精度3次元空間地図が開発されると、空間内でのモノや人の動きがコントロールできるようになり、第4次産業革命を、モノの設計・生産から空間分野へ拡充する動きが広がっていくでしょう。

5 人工流れ星は、その実現によって、これまでバーチャルリアリティの題材であった宇宙空間を、全く新たなビジネスゾーンにする可能性を広げます。

このように、これまでの宇宙利用ビジネスは、宇宙に行くと行きっ放しだったのが、地上と宇宙の「共進化」の関係になってきています。

つまり、地上の先端的な基盤技術を使って準天頂衛星や超小型衛星を作り、打上げて、宇宙での事業展開がなされ、地上では宇宙からの電波などを受けて新しい派生ビジネスが展開されると言う、地上と宇宙の「共進化」の関係が形成されつつあります。

ここまでは宇宙からの観点ですが、一方で地上から見てみると、農業、インフラ、都市空間の議論が抜けています。これらは、動くモノのIoTの反対側であり、農業空間もインフラも都市も動かないものです。しかし、これら空間で、高精度測位データをどう使うかという命題は残っています。それらを全て整理できれば、地上と宇宙とを総合的に考えることができます。私は、それを横通しして、体系的に見える化する作業を行っています。

コメンテータ・モデレータ:
次に、経済産業省で現在進めている宇宙産業政策の動向について概略を説明します。

宇宙政策を巡る状況としては、まず衛星から得られるデータの質と量が大幅に増えています。加えて、AI技術の進展により、ビッグデータとしていろいろな活用の可能性が出てきました。その背景には、小型衛星の登場により、コンステレーション(星団)化が進むことで衛星データが飛躍的に増大するとともに、衛星の目も非常に良くなり、高分解能化が進んだということがあります。データをAIで解析することで、いろいろなサービスを生んでいるというのが今の大きな流れです。

三本松先生からもお話がありましたが、来年4月に準天頂衛星システム「みちびき」がサービスインします。これによって測位精度が数センチの誤差まで改善されることで、新しい高度なアプリケーションの創出が期待されます。利用事例としては、建機の自動走行であったり、スポーツ分野ではランナーの背中に受信機を付けて効率的なペース配分で走るのに役立てられたりしています。それから、児童や高齢者の見守りサービス、3次元地図の作成、農業機械の自動走行といった動きもあります。

わが国の宇宙機器産業は近年、漸増で推移しており、官需が80%程度を支えているのが現状です。これは産業として見ればあり得ない状況で、宇宙産業が役に立っていないために利用が進んでいないことが明らかです。しかし、宇宙のデータが非常にビッグデータ化してきて、この1年で価値が大きくなってきています。

そこで、経産省では宇宙産業政策が第4次産業革命の一部であると位置付け、「ビッグデータを構成する基盤情報としての宇宙データとアプリケーションサービスの発展」を大きな目的に掲げました。

こうしたデータビジネスを支えるためには、ハード面では小型衛星を打ち上げるために小型ロケットが必要なので、基幹ロケットだけでなく、小型ロケット開発への事業者参入を促す政策や、競争力のある部品を作っていくことが重要になります。

あるいは、リモートセンシングはこれまで産業利用がほとんど進んでいませんでした。政府には大量のデータがあるのですが、処理費がかかったり、活用するプラットフォームがなかったりするためです。そこで、政府衛星データの完全なオープン・アンド・フリー化を試みています。

さらに、経産省内に有識者検討会を設け、宇宙航空研究開発機構や産業技術総合開発機構と協力しながら政府衛星データを利用しやすいプラットフォームとインターフェイスの構築に努めています。その中に企業やユーザー、データ事業者、IT事業者、研究者にも入っていただき、プロダクトやアプリケーションをつくったり、サービスを回したりしています。こういった検討会は、宇宙分野の人たちだけで議論していては絶対に駄目なのです。

衛星測位サービスでは、たとえば九州・天草でドローンの自動飛行による物資輸送や、車線ごとの渋滞情報を通知するシステムを開発中で、これらの技術の国際展開を図っていく考えです。

もう1つ、小型ロケットのシーンは世界的にものすごく競争が激しくなってきているので、競争力のある小型ロケット事業者の支援にも取り組んでいます。それから、宇宙航空研究開発機構の既存ロケットを利用して、今まで宇宙と関係ない企業に部品を積んでもらい、それを打ち上げる動きもあります。

そのためにはリスクマネーの供給がものすごく重要となり、産業革新機構や日本政策投資銀行が年度明けからどんどん宇宙関係のベンチャー企業に出資していただいています。それが呼び水となって、いろいろな企業も出資しています。

このように、経産省ではとくに利用データアプリケーション産業の拡大を中心に、進めていきたいと考えています。

質疑応答

Q:

政府衛星データのオープン&フリー化は非常にいいと思うのですが、それが実現するためには企業がもうからなければなりません。したがって、日本企業がこういう日本の技術を使ってビジネスモデルを開発すれば、企業に利益が生まれるという仕組みを保証しなければ健全な事業にならないと思うのですが、その辺を少し教えてください。

コメンテータ・モデレータ:

プラットフォームで重要なのは、データの世界とユーザーをつなぐIT事業者であり、この人たちが育っていくことがまずは求められます。IT事業者は宇宙のデータがなくてもいろいろなサービスを始めており、そこに宇宙が入ってきて彼らのサービスモデルが向上すれば、宇宙も使われるし、彼らからもたらされるサービスもアップグレードして、良い循環が生まれると思います。政府としては、データを使いやすい環境をつくることが重要だと考えています。

Q:

そこまでは非常によく分かるのですが、同じようなサービスが世界中にできるとビジネスにならなくなるので、ある一定期間は少なくともきちんともうけられる仕組みが必要だと思います。

コメンテータ・モデレータ:

おっしゃることは非常に重要で、衛星データなどをオープン化して使いやすい環境をつくる協調領域だけではいろいろなサービスが提供できません。地域や企業しか持っていないクローズドのデータをどれだけ持っているかが競争領域であり、そこに差が出ると思います。プラットフォームでは、協調領域として衛星データや自治体データがあって、競争領域として企業などが持っているデータがあるわけですが、他の人は当然扱えないわけで、そうして新しいアプリケーションをつくっていく仕組みが大切だと考えています。

Q:

準天頂衛星を海外企業が利用するためには日本企業とタイアップする必要があるのでしょうか。それとも、どの国の企業もフリーアクセスのような形になるのでしょうか。

三本松:

国土地理院の電子基準点のデータを利用したL6信号というのは、日本国領土内だけのサービスなのです。それと同じ仕組みをその国が採用しないと、同じように受けられません。L6信号を移入すれば類似のものはできますが、国全体でやっているところはなかなかなくて、現状のL6信号だけでは、日本が先行して、高精度衛星測位社会になります。

Q:

仮に日本が有事になった場合、準天頂衛星はどのように運用制限されるのでしょうか。

三本松:

これはもう誰が使ってもよくて、これを制限するとは聞いていません。

Q:

準天頂衛星システムのサービスを受けている他国が、日本を攻撃することもあり得るわけですよね。

コメンテータ・モデレータ:

敵対国からすれば、軍隊やミサイルの運用などで準天頂衛星の信号を使った瞬間に、逆に情報が全て取られてしまうこともあり得るので、なかなかそうしたインセンティブは働かないのではないかと思います。

Q:

この信号システムには規格や基準のようなものがあって、それが他の国と違う仕組みになっているという意味なのでしょうか。そうならば、どの国の規格がグローバルに支配するかという覇権争いになるかもしれません。それは民間であったとしてもよくある議論であり、グローバルスタンダードをどちらが押さえるのか、ローカルスタンダードになっていないか、ガラパゴス化していないかという議論なのでしょうか。

三本松:

技術的な説明をすると、現状では、地上で動かないものの測量は、求めたい場所と電子基準点(アンテナ)とを横で比準することで数センチの誤差が実現します。L6信号では、その仕組みを日本全国に適用して計算しています。L6信号は、仕組みとしては電子基準点を使うのですが、豪州で全く同じような仕組みを使えば日本と同じことはできます。私がローカルと言っているのは、電子基準点が全国にあるという意味です。その仕組みと全く同じものを豪州に持ち込もうと思っても、今は電子基準点が全土にないから、同じ精度のものはできません。

Q:

将来的に世界各国が準天頂衛星を打ち上げる予定があって、10年後には地球上どこでも同じような環境が得られるという感じなのでしょうか。

三本松:

L6信号と全く同じものは、仕組みとしてソフトウエアは出来上がっているので、他の国が同じことを整備すれば、利用することはできます。しかし、他の国がやるかどうかは、他の国の主権の問題なので分かりません。

それとは別に、MADOCAという宇宙航空研究開発機構がつくった仕組みがあります。それは、電子基準点とは関係なく、宇宙からの信号についてもう少し精密に、(1)衛星軌道と時計の誤差、(2)電離層遅延、(3)対流圏遅延の3段階の誤差を解消していく仕組みなのですが、それができればグローバルサービスです。方式が違うわけです。今ある複数の衛星の信号を精密に捕捉しながら誤差を解消していく方式なので、グローバルではありますが、完全に同一のレベルまでいっていないと私は思っていて、まだ時間がかかりそうです。

ただ、それでもタイなどで、農機の自動運転の利用実証に成功していると聞いています。

ですから方式が2種類あって、ともに日本発の技術なのです。日本が先行しているが故に、L6信号と全く同じものが他国でできるかどうかはその国の問題であると同時に、上からの衛星の3種類の誤差を削っていくのも日本発の技術で、迅速な開発が期待されています。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。