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※本プロジェクトは、終了しております。

コンシューマレポート戦略

「機器のイノベーションに消費者はどのような期待を持っているのか?」非常にシンプルな問いかけながら、製品作りの本質でもある問題について、今日はその消費者というもが急速に多層化していく変革期であるため単なる店頭での売上だけでは見えない消費者ニーズが存在する。そのため、単なるクレーム集ではないコンシューマレポートを実現し、多層化していく消費者の声を整理し、消費者の期待と潜在的な消費者ニーズを抽出し、「メーカーの商品作りにフィードバック」をしていける基盤作りについての方策を提示する。

2004年12月06日 情報家電とそれを取り巻く情報

コンシューマレポートの領域について、ご説明したいと思います。
まず分かり易い例としてノートパソコンを挙げて解説させてください。なぜ、ノートパソコンを例にするかといいますと、最近のノートパソコンはかなりメーカーの独自の工夫が見られる傾向があるからです。しかし、その工夫について、どれだけの情報をが消費者に届いているか?とても心配に思うからです。

現在、ほとんどのPCはインテルのCPUを用いています。ですので、ほとんどのPCの処理能力はメーカーのものつくりの努力ではなく、「インテルのCPUの性能」がひとつのベンチマークとして消費者の見るポイントになっています。

それ以外の機能ですと、メモリの実装量、ハードディスクの大きさ、液晶のサイズがベンチマークの要素として加わってきます。

これらは、ノートパソコンを作るメーカーにとって、どの要素も自社でコントロールできる領域ではありません。また、さらにこのハードウエアの上にマイクロソフトのOSが搭載されることによって、さらに差別化が難しい、あるいは自社のものつくりの良さを消費者へ訴求できることが難しいといえるでしょう!

ある意味、これらCPUのスピード、メモリとハードディスクの量、液晶のサイズの情報だけで、これらの機能に対する単価がいかに安く提供できるか?が競争となっていたとも言えます。
そのために、しゃれたデザインによる競争(この点だけが、唯一メーカーがコントロールできる)が起こったとも言えます。

しかし、現在のノートPCでは、どれだけスリムで、どれだけバッテリーの持ち時間があるのか?という点もメーカーの競争力となってきています。さらにTVの映像を見てどれだけきれいに液晶を発色させるか?という点も競争となってきています。

これらの情報について、ある意味、メーカーからの受け売りになる情報もまた増えてきているといっても過言ではありません。それぞれのメーカーのものつくりの努力とイノベーションについての情報も消費者に理解されねばなりませんが、それらの情報もまた客観的である必要もあると考えます。

コンシューマレポートではこれら情報家電機器自体の性能ばかりでなく、それらをとりまく環境情報もまた精査され、消費者に理解されることを目標にしていきたいと考えている次第です。

相沢 拝

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2004年12月6日掲載