RIETI ポリシーディスカッション

第7回:インフレ目標政策への批判に答える:ディスカッションルーム

高橋 洋一
コンサルティングフェロー

インフレ政策は必要と思います

匿名希望

今の不景気は、資本主義社会の本質であるお金を貯めつづけるというところにあると思います。お金の総額が増えないのに、皆がお金を貯めつづけるため、次第に社会に流通するお金が減ってデフレになるのです。

預金や投資をしたお金は社会に流通しますが、それは増えて戻ってくることを考えての行動ですので、やはり社会に流通するお金は減っていきます。規制緩和などを行ったところで、高度経済成長期のように、稼いできたお金を貯めずに全部使い切るほど欲しい物が次々に出てくる世の中が来ることは有り得ないので、規制緩和では問題解決にはなりません。

ですから、社会に流通するお金が減らないように、常にお金の総額を増やしていかなくてはなりません。一時的にインフレが過度に進むことがあれば、公定歩合と預金準備率を上げて、お金の流通速度を抑えればよいのです。インフレで物価上昇が問題になるのは、物価の上昇に比べて、収入がそれ程上昇しない人がいることです。インフレ政策で新たに生じたお金が、特定の人達の間で消費されても、国民全員で消費されても、消費の大きさが同じならば、物価は同じだけ上昇します。

インフレ政策を行ったとして、それが国民の支持を受けるためには、インフレ政策の恩恵を国民全員が受けられるように、社会の隅々までお金が流通するような仕組みを作る必要があります。

弱者切り捨ての構造改革・規制緩和ではなく、福祉や社会保障の充実、不正競争防止の構造改革を行う必要があります。

2004年1月18日

ディスカッションルーム

2004年1月18日掲載