執筆者 | 森川 正之(所長・CRO) |
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発行日/NO. | 2022年8月 22-P-022 |
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概要
本稿は、規制のコンプライアンス・コストを労働投入時間に着目して計測する方法を提案し、就労者へのサーベイ・データに基づき日本におけるコンプライアンス・コストを概算した。その結果によれば、産業横断的規制を含む政府規制や各種ルールに対応するための労働時間が総労働投入量に占める割合は20%以上と非常に大きい。産業別には金融・保険、医療・福祉といったセクターで、企業規模別には大企業でこのコストが大きい。賃金水準の高い就労者の労働時間の多くがこうした業務に充てられており、仮にこのコストを半減できれば経済全体の生産性が約8%高まる計算になる。社会的規制の合理化、コンプライアンス関連業務のデジタル化などを通じたコスト削減の重要性を示唆している。
※本稿の英語版ポリシー・ディスカッション・ペーパー:22-P-025