執筆者 | 西垣 淳子(上席研究員)/沼本 和輝(コンサルティングフェロー)/原田 貴志(コンサルティングフェロー)/平山 由佳(コンサルティングフェロー)/鷲田 祐一(ファカルティフェロー)/肥後 愛(リサーチアシスタント / 一橋大学) |
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発行日/NO. | 2022年7月 22-P-017 |
研究プロジェクト | 「デザイン」の組織経営への影響に関する量的検証 |
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概要
経営にデザインを生かすという観点から、経済産業省・特許庁が出した「デザイン経営宣言」では、デザイン経営組織の特徴をあげてきたが、大企業と中小企業ではデザイン経営のスタイルが異なるのではないか、という仮説の下に、大企業と中小企業に対して類似した調査を行いその結果を比較した。双方の調査から、同様の7つの因子が導き出されたものの、大企業とは異なり、中小企業では社内啓蒙に多くの要素が集まるなどの特徴も見られた。また、事業現場への貢献という因子だけが統計的に有意という結果となり、中小企業に対するデザイン導入の支援モデルを考えるには、中小企業の経営力の(再)構築とあわせて考えること、また、多種多様な中小企業に対しては、伴走型支援という形で、個々の企業のニーズにあわせた適切な人材とのマッチングを通じたデザイン導入支援モデルを進めることが望ましいと考えられた。それを受け、中小企業へのデザイン導入にかかる伴走支援モデルを策定し、これにより、今後の政策の方向性を考えていくことが有用であるという政策インプリケーションが得られた。