執筆者 | 福岡 功慶(コンサルティングフェロー)/坂本 雅純(経済産業省) |
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発行日/NO. | 2021年11月 21-P-019 |
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備考 |
初版:2021年11月 |
概要
本稿は、サプライチェーン・マネジメント(SCM)において考慮される非経済的価値が時代を経てどのように変化してきたか整理・分析することを通じ、SCMの対象範囲がどのように拡がり、また質的にどのように変化しているかを議論するものである。SCMの従来の定義は、資材調達、製造、物流、販売などのビジネスプロセスをカバーし上流から下流の産業を連ねる物の流れを管理することであり、その目的は業務運営の効率化やコスト削減及び売上額の増加といった、経済的価値を最大化することであった。しかし、約450本の文献レビューを行うことで、顧客、環境、人権、地政学、イメージなどの非経済的価値が扱われる文献の量及び割合が、近年急速に増大していることがわかった。最後に、SCMの対象範囲が今後も多様化し、質的にも変化していくことが見込まれる中で、それに対応するための、デジタル技術を活用したサプライチェーンの可視化やグローバル・サプライチェーン強靭化のための有志国連携等の意義について論じた。