我が国におけるTax Compliance Costの定量的評価

執筆者 高木 駿平(経済産業省)/中嶋 佑佳(経済産業省)
発行日/NO. 2021年11月  21-P-018
研究プロジェクト これからの法人に対する課税の方向性
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概要

税制による企業活動への影響を考える際には、課税による経済的な負担に加えて、申告手続き等の税務手続きに伴う負担についても考慮することが重要である。しかしながら、これまで我が国においてはこうした負担の実態が必ずしも十分に調査されてこなかった。

このため、本稿は、今後の税制の設計に当たっての参考資料とされることを目的に、企業へのアンケート調査を活用し、企業の税務手続きに伴う負担(以下「タックスコンプライアンスコスト」という。)の実態について基礎的なファクトの整理を行った。

主な結果は以下の通り。
①企業規模に応じてタックスコンプライアンスコストは増加する傾向にあること。
②他方で、売上高に占めるタックスコンプライアンスコストは、規模が小さい企業の方が大きいこと。

政策的な含意として、税務手続きが企業経営に与える影響については、相対的に中小企業の方が大きいことから、税制改正等の際には、中小企業の実務負担を考慮して制度設計を検討することが重要であること等が指摘できる。