学校や職場での教育訓練、スキルの実態に関する研究―RIETI 「全世代的な教育・訓練と認知・非認知能力に関するインターネット調査」から

執筆者 鶴 光太郎 (ファカルティフェロー)/久米 功一 (東洋大学)/佐野 晋平 (千葉大学)/安井 健悟 (青山学院大学)
発行日/NO. 2019年12月  19-P-035
研究プロジェクト 労働市場制度改革
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概要

人生100年時代においては、生涯にわたる人的資本投資が求められている。その一方で、就学前・就学時、就職後の学習・教育訓練、スキルの形成・活用に関する包括的な調査は、日本に関する限りほとんどなかった。そこで経済産業研究所(RIETI)では「全世代的な教育・訓練と認知・非認知能力に関するインターネット調査」を実施した。この調査は、個人の教育履歴や就業状態の把握に加えて、OECD Education and Skills Online Assessmentの認知能力スコアや複数の非認知能力の尺度を用いた点でユニークである。

本稿では、その調査結果の概要を報告する。具体的には、男女や年齢などの属性別に、1.経験(保育園・幼稚園の在園経験、中学受験の経験、設置形態(国公立・私学、別学・共学など)、習い事、部活、学校での過ごし方、大学の専攻、留学、OJT、Off-JT、自己啓発など)、2.スキル・能力・ウェルビーイング(習熟度、基礎力、企業特殊的人的資本、英語・ITのスキル、認知能力、非認知能力、メンタルヘルス、ワーク・エンゲイジメント)の平均値・分布・相関関係を報告して、詳しい分析を要する研究課題について整理した。