執筆者 | 小林 慶一郎 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2019年10月 19-P-027 |
研究プロジェクト | 経済成長に向けた総合的分析:ミクロ、マクロ、政治思想的アプローチ |
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概要
本稿では、金融危機の前と後の時期におけるマクロ経済学の標準モデルの変遷を解説し、金融危機の本質的な特徴であるバブルの発生と崩壊や、その後のデフレ傾向の長期継続という問題に対して、標準モデルが十分に対処できていないことをみる。そして、その原因が、合理的期待仮説の条件のひとつである「横断性条件」の解釈から来ていることを示し、横断性条件の位置づけを変更する新しい理論モデルの可能性を論じる。新しいモデルによって、デフレ均衡や政府債務の膨張についての新しい考え方が得られる。