執筆者 | 占部 寿美子 (経済産業省)/齊藤 有希子 (上席研究員(特任)) |
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発行日/NO. | 2019年1月 19-P-002 |
研究プロジェクト | 組織間のネットワークダイナミクスと企業のライフサイクル |
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概要
中小製造企業にとって、直接輸出を行うためのコスト負担は大きく、直接輸出を行う企業割合は非常に低い。そのため、直接輸出を行いやすくする支援は引き続き重要であるが、一方で、商社を経由する「間接輸出」が中小製造企業の外需アクセスを支える可能性が、既存研究により示唆されてきた。
本稿は、経済産業省「工業統計調査」、同「商業統計調査」、および同「商品流通調査」等の政府統計を用いて、我が国における間接輸出の量を明らかにすることで、中小企業および地方企業の輸出を間接輸出が支える現状を考察するものである。
主な発見事項は、1)世界経済危機前と比較すると全体で間接輸出額は減少しているが、最近でも直接輸出より間接輸出に大きく依存している製造業種が多いこと、2)製造事業者の所在地別で見ると地方の多くにおいて、輸出の中心は間接輸出となっていること、3)中小企業比率が高い業種は、間接輸出利用割合が高い傾向があること、である。
上記事項は、間接輸出が、近年も、地方製造企業や中小製造企業の外需アクセスを支えていることを示唆する。