執筆者 | 川島 富士雄 (神戸大学) |
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発行日/NO. | 2016年2月 16-P-003 |
研究プロジェクト | 現代国際通商・投資システムの総合的研究(第II期) |
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概要
中国を含む新興国の急速な経済発展は世界経済の構造転換をもたらしつつある。その1つの現れとして、国際的な「資源の奪い合い」現象が生じており、資源保有国は、資源の輸出規制をその一手段として用いる傾向にある。「中国-レアアース等の輸出に関する措置」事件パネル・上級委員会報告は、GATT/WTOにおける輸出規制に対する規律について初めて本格的な法解釈を示した「中国-原材料の輸出に関する措置」事件パネル・上級委員会報告に続き、同規律をさらに明確化するに至った。本稿は、本件報告を概観した上で、わが国がWTO紛争解決手続において初めて中国に対し申立てを行い、かつ初めて勝訴した本件の実務的な意義を検討し、輸出規制に関する解釈が先例に照らして、いかに展開したか分析を加える。