「三位一体の経営」の実装

世の中ではESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))が話題となり、企業のパーパスが問われています。しかし数々の経済データが指し示す現実は、「日本企業に関わってきた人は、従業員も株主も経営者自身も、みな豊かになれていない」という大きな社会的(S)課題ではないでしょうか。 気候変動に代表される(E)課題やガバナンス(G)課題も、もちろん重要でしょう。しかしこの(S)問題の解決なくして、日本経済全体が活性化することはないと思うのです。

「日本企業に関わってきた人は、誰も豊かになれていない」とすれば、これまでの経営常識の「何か」に問題があると考えるべきです。ですから本プロジェクトは、厳選投資家の思考と技術を経営に取り込むことでこの(S)課題の解決を目指すという、これまでの経営常識とは異なるアプローチを提案します。

経営者と従業員が二人三脚的に作り上げてきた日本的経営モデルに、厳選投資家を加えた「三位一体の経営」モデルを創る。厳選投資家の厳しい経営評価基準を理解し、経営を変えていく。これが投資現場のあちこちにある「株主だけでなく経営者や従業員、みなが豊かになっていた」事例群を普遍化し、再現可能なステップに落とし込んだ経営構想です(詳しくはダイヤモンド社刊「三位一体の経営」をご参照ください)。

この初期構想を基に、さまざまな学識者や経営実務家とともに議論を深め、みなで豊かになる道筋をより確固としたものとして提示していきたいと考えています。

*本ページはRIETI研究プロジェクト「経済成長に向けた総合的分析:マクロ経済政策と政治思想的アプローチ」の関連ページです。