プロジェクト概要
2006年度~2008年度
外国投資は、相手国の国情等によって大きなリスクに晒される。これらのリスクのうち、投資受入国の行為を直接の原因として事業が失敗するリスク(政治的・社会的リスク)については、何らかの公的枠組みによって対処することが求められる。近年その枠組みとして注目されているのが投資協定である。特に、投資協定の定める投資家対国家の紛争解決手続き(国際仲裁)が実際的な投資家保護として機能している。本プロジェクトでは、この仲裁判断の法理を分析し、対外投資の法的保護の在り方を検討する。法理の分析は、今後日本が締結する投資協定や経済連携協定の投資章を起草する上で大きな示唆を与えると同時に、企業関係者にとっては投資先や投資方法の選択にあたっての参考となる。さらに、類似の機能を有する投資保険の商品設計にも影響を与えることになる。
プロジェクト期間: 〜 2008年10月31日
主要成果物
2008年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 09-J-003
「投資協定における経済的セーフガードとしての緊急避難-アルゼンチン経済危機にみる限界とその示唆-」 (川瀬 剛志) - 08-J-032
「投資紛争における行為の国家への帰属 ―地方公共団体・公団等による外国投資侵害行為について国家が責任を負う条件―」 (西村 弓) - 08-J-014
「投資保護条約に基づく仲裁手続における投資契約違反の扱い」 (濵本 正太郎) - 08-J-012
「国際投資仲裁における管轄権に対する抗弁とその処理」 (岩月 直樹) - 08-J-028
「投資協定仲裁手続のインセンティブ設計」 (清水 剛) - 08-J-027
「規制と間接収用―投資協定仲裁判断例が示す主要な着眼点―」 (松本 加代) - 08-J-026
「投資協定における『公正かつ衡平な待遇』-投資協定上の一般的条項の機能-」 (小寺 彰) - 08-J-013
「投資協定仲裁における補償賠償判断の類型-収用事例と非収用事例の再類型化の試み-」 (玉田 大) - 08-J-025
「国際投資仲裁と並行的手続―国家法による規制、調整を中心として―」 (中村 達也) - 08-J-024
「ICSID仲裁における適用法規:国際法の直接適用とその含意」 (米谷 三以) - 08-J-011
「投資仲裁の対象となる投資家/投資財産の範囲とその決定要因」 (伊藤 一頼)
RIETI国際セミナー
- 2008年7月25日
「投資リスクと投資協定」