通商システムとガバナンスに関するサブグループ研究会
第5回研究会
概要
- 日時:
2013年8月5日(月)
- 場所:
経済産業研究所 1121国際セミナー室(経済産業省別館11階)
- 議題:
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1)GEの通商戦略(グローバルな自由貿易に係る諸課題)
発表者:日本GE株式会社 弁護士 渡邊伸太郎氏
配付資料 [PDF:285KB]2)サービス貿易のガバナンスと日本の対応
発表者:中富道隆コンサルティングフェロー
発表者:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 国際事業本部 国際研究部 研究員 秋山卓哉氏3)EPAの現状
発表者:経済産業省通商政策局経済連携課 猪俣明彦氏
配付資料 [PDF:2.5MB]
質疑・議論
GEの通商戦略
- 日米財界人会議でもGEの影響力大との印象。
- 連邦政府のバイアメリカンの動きへの対応如何
(←基本的に反対)。 - SOEは特定の分野に関心があるのか
(←特になし)。 - 通商関係へのリソースの投入状況如何
(←通商関係も含め公共政策について担当する組織があり、たとえばワシントンの指示で各国がタマ出しをするなどしている。全体で250人ぐらいか)。 - 特定の関心分野はあるのか
(←テーマは時により変わる。Trade remedyものは関心低い)。 - 中国問題?
(←state secretやindigenous innovationには関心大。中国敵視ではない)。 - 会社として通商問題を含む公共政策への関心が高く、またその分野での貢献が評価される文化ありとの印象。
- サービス貿易の分析は、フックマン、マトゥー、マルケッティなどWTOサービス出身者が行っていることが多く、いわば体制内からの分析。サプライチェーンの実態とか規制の実態とかの分析が不足。付加価値を作り出しているシステムのスタディが不足している。
- サービスでも金融に近いサービスからモノ作りに近いサービスまで幅があり一概に論じるのは困難。サービスの分野の不公正貿易への取り組み(贈賄、ダンピング等)への取り組みが足りない。
- モノの分野での貿易不均衡が日米摩擦の原因となった(不公正貿易論)が、サービスでは米は恒常的に黒字。これをどう見るか。サービスの世界では、ルールの根拠がモノと異なっているのでは。
- モノと異なり、サービスでは統計が不備。FTAについても結果が見えてこないとの問題あり。
- メガFTAは内容が多岐にわたり透明性の問題が重要。米国でも同じ問題あると考えるが如何。米国でも、FTAにおける過度の秘密主義は大きな問題となると予想。TPPの情報管理は行き過ぎていないか
(←通常、どのFTAであっても交渉中には具体的中身は公開できないもの。加えて、TPPは秘密保持契約があり、交渉の具体的中身の公開は禁じられているところ。米国も日本も具体的中身には踏み込まない範囲で産業界等に説明を行っていると承知)。 - 経済界は、パブコメの機会に対応して居るが、交渉過程でどのように取り扱われているかは是非知りたい
(←交渉の具体的中身は申し上げられないが、産業界等の定期的な説明会を通じて意見募集しており、頂いた意見は交渉官に渡って交渉の参考とさせて頂いている)。 - TPPとEIAとで秘密保持に差があるか?
(←TPPには秘密保持契約があり交渉の具体的中身は申し上げられないが、EIAも交渉中であるので具体的中身が公開できないことは同じ)。 - TPPのメンバー拡大?
(←今後のメンバー拡大は排除していない。参加するのかどうかは予断できないが、韓国や中国もTPPに関心を持っていると聞いている)。