通商システムとガバナンスに関するサブグループ研究会
第3回研究会
概要
- 日時:
2013年6月7日(金)
- 場所:
経済産業研究所 1119国際セミナー室(経済産業省別館11階)
- 議題:
-
1)産業界の通商提言とGVC
発表者:経済同友会 政策調査第1部 山本郁子氏
配付資料 [PDF:201KB]2)テレコミ・金融合意、特定分野のセクターアプローチの試み
発表者:中央大学 准教授・三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 国際研究部 主任研究員 国松麻季氏3)TISAの現状、主要FTA(メガFTAを含む)におけるサービスの現状等
発表者:経済産業省通商機構部、経済連携課
配付資料1 [PDF:201KB] / 配付資料2 [PDF:86KB] / 配付資料3 [PDF:443KB]4)ISA・メガFTAとサービス交渉
発表者:中富道隆コンサルティングフェロー
配付資料 [PDF:218KB]
質疑・議論
経済同友会提言のご説明。アクセスの問題もさることながら、今日では規制や基準の違い、それを合わせるコストが高いことへの関心が高い。今後、非製造業を対象としたアンケートも行う予定
- 同友会の提言の特色如何。
- 農業の議論に関心大
(←同友会でも引き続き議論継続中)。
サービス
- TISAについては、ネガポジ、スパゲティーボウルの解消の話があったが、日本として、どこまで自由化を迫るのか、何が欲しいのか、という観点が必要。米国の場合には目標がはっきりしているが、日本は目標がはっきりしていないのではないか
(←日本のサービス産業の強い目標はない。文化産業も関心分野だが、EUやカナダとの対立あり。先進国間では難しいサービス分野が自由化されず残っているのが実情。医療サービスも保険の問題と表裏一体で難しい分野。流通は日本の関心大だがTISAというより、相手はアジア)。 - TISAに香港が参加し、中国が参加していないことをどう見るか。
(←香港と中国とは連携しているのでは。中国もTISAに関心は大きい。) - 日本の産業界はサービスについては、なかなか関心を明確化しないのが実情。製造業関連サービスには関心あり。
- 米EU間で、TAPの議論が進展せず、代わりに、バシェフスキー・ブリタン間でMRA・独禁協力・サービスを進めようという話があり、それがTISAの発端。
- 米の産業界は、理屈にならないことも平気で言う。それがTISAの原動力になっている面あり。
- TISAがFTAになるとするとGATSも危ないが、モノについては同じような動きはあるのか。
- モノについては、24条の解釈は確立しているが、守るかどうかは別問題。また、授権条項の大穴があいている問題あり。
- WTOのわずかな成功例である金融・テレコミサービスについては、十分な分析もないので、是非国松先生に論文をまとめて欲しい。
- 国際政治学のパットナムの議論も金融・テレコミサービス交渉の成功例の分析に当たり参考となる。
- なぜ、金融・テレコミ以降プルリの成功例がないのか分析する必要あり。
- NGOがうるさくなったのも1つの理由ではないか。
- 金融の世界では、G8、G20から議論はバーゼル、IASCOに直結する。WTOに持ち込む必要はほとんどない。それだけ、主要国の連携とルールの統一化が進んだという見方も出来る。
- 同様に、競争についての議論がWTOから落ちたのは、米国が嫌がったということと、当局間の協力が国際カルテルなどについては進んだということが背景にある。競争ルールの調和は、衝突している分野では困難だが、競争当局間の協力(ICN)を中心としたソフトローアプローチで、合併やカルテル規制などについては調和が進んだ。途上国の国内法の整備も進んでいる。
- anti-corruptionの分野は、OECDでの議論と域外適用とによりルールの国際化が進んでいる。