経済の武器化と多国間貿易システムの将来

開催日 2025年1月27日
スピーカー シロー・アームストロング(RIETIノンレジデントフェロー / オーストラリア国立大学クロフォード公共政策大学院教授・豪日研究センター長・東アジア経済研究所長)
コメンテータ 田村 英康(経済産業省 国際経済部 参事官(総括)(併)通商政策局 特別通商交渉官)
モデレータ 冨浦 英一(RIETI 所長・CRO・EBPMセンター長)
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開催言語 英語
開催案内/講演概要

国家間の経済交流には常にリスクが伴うが、第二次世界大戦後、こうしたリスクは、米国の主導する「ルールに基づく多国間貿易システム」のもとで、このシステムに加盟した国々によって管理されてきた。「ルールに基づく多国間貿易システム」がもたらしたグローバリゼーションの隆盛は世界に繁栄と平和をもたらし、東アジアはその恩恵を最も受けた地域となった。その多国間貿易システムが今、脅威にさらされている。大国間の対立と戦略的競争、時代遅れとなった多国間ルール、その他の世界的ショックや保護主義による不確実性により、国家間の経済交流がもたらすリスクは増大し、その恩恵が脅かされている。
経済の武器化によって、多くの人々が経済的相互依存を繁栄と安全保障の源泉ではなく、脆弱性とみなすようになった。各国は、高い貿易シェアを脆弱性の源泉として相互依存を減らそうとし、それがさらに各国の不安を強めるという悪循環を招いている。各国の経済をより安定し恵まれたものにするためには、どのように経済秩序を修復すればよいのだろうか。
本セミナーでは、RIETIノンレジデントフェローであり、多国間貿易システムのエキスパートであるオーストラリア国立大学(ANU)クロフォード公共政策大学院シロー・アームストロング教授を講師としてお招きし、多国間貿易システムの現状と課題、今後の対策について解説いただく。